尊敬する演奏者の事。
チェロの練習を妻の子どもの出産から自粛して7年ですが、年に1回チェロの師が主催のボランティアイベントに参加させて頂いていました。
(1918.12.16 福祉施設のクリスマス演奏会)
9本のチェロと2本のバイオリン、1台のアップライトピアノで紡ぐ演奏会で私はリズム楽器と声でのお手伝い。
人の手で紡がれる音を聞くと歌っていても気持ちが良いものです。そして離れていた自身のチェロを弾きたくなる。
その中で高齢男性2名の協奏曲に酔わせて頂きその後の打ち上げにて誰かに告白したい事をテーマに盛り上がり、その男性の1人のお話。
「僕はね、92歳になって脳梗塞を2回しちゃってね。今年(2018年)の6月。それもドイツ旅行に行く予定のひと月前に。
手術をして、友人のお医者さんに聞いてみたんですよ。これからドイツに行っても大丈夫か。と。
そしたらね、その友人は 脳梗塞の3回目が何処で起きるのか人間には予想なんて出来ないから楽しんでこい。もし、向こう側で3回目が起きても病院の設備が悪い事は無いから、やっぱり後悔せんよーに楽しんでこい。って言うんですよ。
あぁそうか。と今は好きな事に前のめりで、指もおぼつかないですけれど楽器を使って脳のリハビリをしている最中なのですよ。」
年齢やハンディキャップに挑む演奏者を目指すのも悪くないなと。かっこいい演奏者を前に思う一日が私の中に存在する。